よく「FRPのカウルは剥離できないんでしょうか?」と言う質問を受けます。
通常、FRP製品が再塗装で入って来た時に剥離をすることはありません。なぜならば一般的な剥離材をこのような製品にかけると母材まで犯してしまい製品自体が使い物にならなくなってしまうからです。
でも「どうしても」剥離が必要になって来る場合があります。
度重なる補修で塗装が分厚くなり、下のFRPの状態も悪く、しかももうすでにその製品が手に入らない、などといった状況の時です。
ではその場合どうするか?FRP用の剥離材と言うものもあるにはあるのですが剥離力が弱く仕事として使うには今ひとつ...。
残る手段は一つだけ。「物理的に剥がす」です。
この時グラインダーにサンドペーパーを付けて剥がすやり方もありますが、このやり方だと母材を傷めやすく「オリジナルを残す」と言う観点からするとちょっと外れてしまいます。
と言うわけでいつも僕が採る最後の手段。画像を見て分かるでしょうか?
全て手作業でスクレッパーで剥がして行きます。よく冗談だと思われるのですが、毎回根気良くカリカリと剥がしています。最近ではだいぶ手慣れて来たので画像のフルカウルとシートカウルならほぼ1日で剥がしてしまいます。
剥がし終わったら全てのクラックを補修します。
ここで手を抜くと必ず後でクラックが再発してしまうので面倒でも必ず裏表両面から補修する事にしています。
FRPが一般に出回りはじめてからもうずいぶん経ちました。旧車とよばれるものの中でもFRP製品を使った車両が増えてきています。
これからもっとこんな仕事が増えるんでしょうね。