「10万km走ったSRのエンジンの中身ってどんなん?」
ってのは皆さん興味の有るところだと思います。
まずは柿さんのSRの基本情報です。
年式は'95年?頃の500ですが、エンジンはノーマルでは無くそこそこにチューニングされています。
ピストンはワイセコの88mm、カムシャフトはヨシムラのST-2が入っていました。
シリンダーはAl-Sil(アルシル)という素材のアルミスリーブです。これは空冷時代のポルシェなどのシリンダーにも使われていた材料で、メッキ等の表面処理無しでもスリーブとして使用出来る程の強度を持っています。残念ながら現在では材料そのものが入手困難で、今後もこのAl-Silスリーブを使用してエンジンを組む事は難しいでしょう。
...市場から「良い材料」がどんどん消えて行っていますね。世知辛い世の中です。
エンジンをバラす前の診断としては、「10万km走行」にしては比較的程度が良い様に見受けられました。現車はオイル上がり・下がり等に因る排気の白煙等も見られず、ヘッドからの賑やかな音以外は特段問題も無さそうです。
ヘッドからの音は...まあ、ロッカーアーム辺りでしょうね。
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では早速...
パカッ!
...ほ〜らね♪
ピストンは...っと。
...カーボン多めですが、どうでしょう?
ピストンサイドは意外とダメージ無さそうです。
細かい擦り傷は有りますが、引っ掛かる様な大きな傷は皆無でした。
シリンダーの方も大丈夫そうです。
こちらも大きな傷は無く(画像撮り忘れましたw)減りも極僅かで、とても10万km走ったものとは思えない状態です。
柿さんはこの車両で、オイル交換だけはキッチリとやっていたそうです。
銘柄・番手こだわらずに、その時のバイク屋さんお勧めのものを2000km毎に交換していたのだそうで...
この辺に何かヒントが有るのかもしれませんね♪
それと...
ワタシ、ワイセコのピストンというヤツをあまり信用していなかったのですが...
...ワイセコって、鍛造って言う割りには強度が無いし、あまり軽くも無いしで、メリットを感じていなかったのです。
...が、
例えばレースで使うにはあまり良いところは有りませんが、こと街乗りに関しては「これで良いのでは?」と思い直しました。
強度があまり高く無く比較的柔らかいピストン、という事は、逆に考えればシリンダーへの攻撃性が少ない、とも言えますからね。
本来ワイセコは、アメリカ本国では「純正リプレイス」的な位置付けで扱われていますから、今回の様な使い方にはピッタリと合っていたのだと思います。
って事で、せっかく距離を重ねて馴染んだピストンとシリンダーは、勿体無いのでそのまま再使用することに。
通常の鉄シリンダーでは有り得ないと思いますが...Al-Silならではです。
リングだけ替えれば充分でしょう♪
つづく。
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